タスカルコラム

逆じゃない…!?豆腐と納豆

私たちの食に欠かせない食材「大豆」。
中でも加工食品としてなじみ深いのは豆腐と納豆ではないでしょうか。冷蔵庫にストックしておくだけで1品確保!主婦の強い味方です。
ですが、皆さん疑問に思ったことはありませんか?
「豆腐、腐ってないよね? むしろ納豆、腐ってるよね? あれ?豆腐、納まってるよね…?」
今回は豆腐と納豆の「名前逆疑惑」から各々の栄養や派生食品・料理などをご紹介します。

豆腐と納豆

早速解決、疑惑の名称!

結論としては「これで正しい!」のです。一番の理由としては「納豆」は日本独自の名前で、「豆腐」は中国から伝来した言葉だからです。
確かに、「麻婆豆腐」のように中国語でも「豆腐」の文字が使われていますよね。
では、なぜ「腐る」という文字が使われるのでしょうか?

〇豆腐

中国では「腐」は「くさる」という意味ではなく、「やわらかい」という意味で使われることが多く、「豆腐」と名付けられたようです。
日本では豆腐を「豆富」や「豆冨」と書くことがありますが、これは「腐」という字を嫌って付けられたとされています。
欧米諸国では現在、「tofu」や「tau-fu」という単語で豆腐が定着しています。

〇納豆

起源については諸説あるようですが、室町時代には現在の糸引き納豆が「納豆」として一般的に普及していました。
ただ、江戸時代までは納豆を叩き刻んで味噌汁に入れ、今で言う「納豆汁」として食べることが多かったようです。

豆腐と納豆の栄養の違い

美容や健康の話題になるとたびたび登場する豆腐と納豆。
個人的に気になる栄養成分とその効果、含有量について調べてみました。

〇タンパク質

例えば木綿豆腐とひきわり納豆、同じ重さで比較すると納豆は豆腐の2倍以上のタンパク質を含みます。
手早くタンパク質を摂るなら納豆!お腹も膨らませたいなら豆腐!と言ったところでしょうか。

〇イソフラボン

女性ホルモンに構造が似ており、骨粗しょう症予防やアンチエイジングに効果的とされるイソフラボン。
納豆の方が2倍以上の含有量をほこりますが、イソフラボンは過剰摂取すると健康被害のリスクを高める可能性も示唆されています。
どんなものでも摂りすぎは良くない、ということですね。食事からイソフラボンを過剰摂取することは基本的にないそうなので、バランスの良い食事を心がけることが大切なようです。

〇大豆オリゴ糖

オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサになり、腸の環境を改善する成分です。
しかし、大豆オリゴ糖は発酵により失われてしまうので、納豆より豆腐で摂取するのがおすすめです。

〇ナットウキナーゼ

こちらは分かりやすく納豆にのみ含まれる酵素で、血液をサラサラにする効果があります。
ただし、ナットウキナーゼは胃や腸で消化されてしまうため、「食べれは血栓が溶ける!」ような劇的な効果は期待しない方がよさそうです。

〇ビタミンB1

含有量では「ひきわり納豆>豆腐>納豆」となります。
ビタミンB1は水溶性のため、そのまま食べたり、みそ汁のように汁までいただく調理方法がおすすめです。

豆腐の派生食品・料理

〇厚揚げ・油揚げ

豆腐を水切りし、油で揚げたものが厚揚げです。一方、油揚げは豆乳濃度を薄くするなどして専用に作った豆腐を2度揚げして作られる、意外と手の込んだ料理です。
よく似たものと思われがちですが、分厚いと薄いの違いだけではないんですね。
また、小麦粉や片栗粉をまぶして揚げ、出汁をかけたものが揚げ出し豆腐です。

  1. 油抜き不要ですので、手軽に幅広い料理に
    ご利用頂けます。

  1. 約5×40mmの短冊形に切断した油あげです。

  1. 濃度の濃い豆乳で仕上げた絹ごし豆腐を
    使用した揚げ出し豆腐です。

〇高野豆腐

凍り豆腐とも呼ばれる通り、豆腐を凍結・乾燥させた保存食品です。江戸時代、高野山の土産物として珍重されたため高野豆腐と呼ばれるようになったとか。
「日本の食文化の伝承とそのすばらしさを再発見してほしい」また「年内残り58日(コウヤ)」であることなどから11月3日は「高野豆腐の日」となっています。

〇豆腐を使ったメインデッシュ

挽肉に豆腐を混ぜたり、挽肉の代わりに豆腐を使用した豆腐ハンバーグ。普通のハンバーグに比べてカロリーや脂肪分が少なく、食物繊維が非常に多いので健康志向の方にはもってこいですよね。
しっかりと水切りした豆腐とつなぎのパン粉を使用することで、焼きあがりの割れを防ぐとこができます。
ハンバーグ以外にもグラタンに豆腐を加えることでヘルシーな仕上がりになります。

〇海外の豆腐料理

中国の麻婆豆腐は有名ですが、歴史は意外と短く160年ほど。もっと古くから食べられていたのかと思っていました…!
韓国のスンドゥブチゲは韓国からではなく、アメリカのコリアタウンでのブームがきっかけで、2000年代後半に日本でも流行しました。
そして、そんなアメリカでは数年前から「豆腐しらたき」なる商品がパスタの代用品として販売されているそうで、健康志向のアメリカ人にはヒットしているとか、いないとか。
果たして、日本でも「豆腐しらたき」が発売される日は来るのでしょうか…?

〇豆腐スイーツ

中国には甘いシロップをかけて食べる「豆腐花(トウファ)」があります。フルーツやお餅を入れたものもあります。
また豆腐そのままではなく、スイーツの材料とするレシピがたくさん考案されています。豆腐をプラスすることで時にはもっちり、時にはしっとり感をプラスすることができます。
豆腐ドーナツや豆腐パンケーキは有名ですが、最近ではチーズケーキ、生チョコ、アイスクリーム、お団子など豆腐の活躍の場は無限大です。

〇ひきわり納豆

納豆を細かくしただけと思われがちのひきわり納豆…。しかし、実は違います。
豆を「挽き割る」のは最初の工程で、その後は粒納豆と同じく「水に浸す→煮る→納豆菌を加える→発酵」という手順になります。
上記でビタミンB1の含有量に大きな差があるのも、この違いがあるのでしょうか?水溶性のビタミンが細かくしてから煮るひきわり納豆の方が多いのは不思議ですね。
ひきわり納豆は豆の皮も取り除かれているので食物繊維は少ないのですが、消化に良いため高齢者や乳幼児にはおすすめです。

  1. 納豆巻きや納豆和えなどに使いやすい
    ひきわり納豆です。

〇納豆汁

味噌汁の調味料または具として納豆を加えたもので、江戸時代まではご飯にかけて食べるよりもメジャーな食べ方だったそうです。

〇さくら納豆

納豆と馬肉(馬刺し)を和え、醤油等で味付けしたもので、熊本県では定番の料理です。
卵黄を乗せて提供されることが多いそうですが、この組み合わせには驚きです。

〇納豆トースト

食パンにマヨネーズや醤油と合わせた納豆とチーズを乗せて焼くだけ!個人的には好きな食べ方です。
実はパンが焼ける匂いと納豆には共通の臭気成分「トリメチルピラジン」があるため、調和のとれた食べ方なのかもしれません。

納豆といえば水戸!というイメージから、茨城県が納豆の消費量1位で間違いなし!と思いがちですが、実は1位が秋田県、2位が福島県、3位が青森県と、東北地方での消費が多いです。(2020年,総務省「家計調査」より)
また西日本はランキング下位が目立ち、最下位は和歌山県です。
これは東北に比べ西日本が温暖な気候であること、瀬戸内海で魚が獲れるため、たんぱく質補給には困っていなかったことが理由とされています。
一方、豆腐の消費量1位は沖縄県、2位は福島県、3位は栃木県となっています。(2020年,総務省「家計調査」より)
どちらも上位に入る福島県は大豆製品の消費が多いようですね。ちなみに、最下位は山梨県ですが、豆腐の消費には地域性はないようです。

コラム担当者(杉村)のオススメ商品

  1. 無菌充填包装により保存料不使用なのに
    常温で長期保存可能なとうふです。

  1. 花椒の香りに麻辣醤、甜麺醤、豆板醤の
    旨味を加えた麻婆豆腐です。

  1. 極小粒サイズの大豆をふっくらとした
    納豆に仕上げています。

  1. 解凍するだけで、夏場にぴったりの
    オクラとおかかの和え物が完成します。

今回は「名前逆疑惑」から豆腐と納豆を特集いたしました。
コラム担当になってからタイトルにひねりがなかったので、今回からは皆さんが「何だろう?」と覗きに来たくなるようなキャッチーなタイトルを付けられるように心がけたいです。
この記事を書きながら以前、地元の居酒屋さんで食べた大粒納豆を使ったお茶漬けが衝撃的だったなぁ…とか、
子供のころは納豆に砂糖を入れてネバネバの強度をMAXにして食べるのにはまったなぁ…などと主に納豆メモリーが思い出されました。
納豆に砂糖、試したことのない方は一度やってみて下さい。砂糖の量に比例してガムみたいになるネバネバが楽しいです。

最後までご覧頂き、ありがとうございました。
引き続き、ちょっと役立つ情報をお伝えしていきます。

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